FX取引には為替の変動により大きな損失を被るリスクが伴います。このようなリスクに関心を持つ人は多いでしょう。例えば、過去には資産10億円をFXで投資したものの、突然全てを失い、借金地獄に苦しむ事例も存在します。
本記事では、FX取引で借金を背負うことになる原因を解説します。また、借金を抱えやすい人の特徴や、借金を避けるための方法についても詳しく説明します。これからFXを始める方にとって役立つ情報なので、ぜひ参考にしてください。
詳しく解説しています
FXで借金になる理由はなぜ?
FX取引では、損失が拡大しやすいのが特徴です。この記事では、FXで借金に苦しむことになる理由を、FXの基本的な仕組みを含めて説明します。
損失が大きくなる可能性があるFX
FXの取引では、少ない投資金額でも大きな取引が可能です。これにより、勝った場合には利益が大きくなりますが、逆に負けた場合には損失も大きくなります。
FXとは、異なる国の通貨を交換し、その価格差から利益を得る投資方法です。レバレッジを活用することで、自身の保有資金以上の取引を行うことができます。レバレッジとは、FX業者に預ける証拠金を担保に、より大きな金額で取引することができるシステムです。
しかし、レバレッジを利用して損失が生じた場合、証拠金以上の損失を被るリスクがあるため、FXは借金を抱えるリスクが高いと言われています。
強制ロスカットの遅れによる損失
FX取引では、強制ロスカットが適切に機能しないことがあり、これが損失の原因になることがあります。強制ロスカットとは、一定の損失が発生した場合に、ポジションを自動的に決済し取引を終了させるシステムです。このシステムは投資家の資金を保護するためのものですが、必ずしも完璧ではありません。
例えば、為替市場の急激な価格変動や、注文の集中によるシステムの遅延が原因で、強制ロスカットが遅れることがあります。また、FX業者が営業していない休日に市場が動いた場合や、システム障害が発生した場合にも、強制ロスカットが間に合わないことがあります。
損失を取り戻そうとする行動
FX取引では、一度損失を出した後、その損失を取り戻そうとしたり、さらに利益を得ようとしたりすることで、資金を借り入れ、結果的に借金を背負うことがあります。
FXには、追証という制度があり、保有ポジションを維持するために必要な資金が不足した場合、追加で証拠金を入金することでポジションを維持できます。しかし、この追証を繰り返すことで借金を抱えるリスクが高まりますので注意が必要です。
FXで借金を返せない状況になってしまう理由とは
FXでの無計画な借金は、人生を大きく変えるリスクを持っています。このリスクと、生活への影響についてご説明します。
借り入れの繰り返しで借金地獄から抜け出せなくなう
FXにおいて借金をすると、損失を回収しようと何度も借り入れを重ねることになり、結果として借金が増大するリスクが生じます。借金を一度すると、次に借りる際の心理的なハードルが下がりがちです。
FXは、取引の結果がすぐにわかり、利益と損失に一喜一憂しやすい性質があります。これはギャンブルに似た中毒性を持つため、特に注意が必要です。借金のリスクを理解し、借金に陥らないようにしましょう。
支払いの滞納による給与や財産の差し押さえられてしまう
FXでの借金が増えると、支払いが滞るリスクがあります。最悪の場合、給与や財産の差し押さえに至ることもあります。
例えば、数日から1週間程度の滞納では電話での催促を受け、1週間から2ヶ月の滞納では督促状や催告書が送られてきます。
2ヶ月以上の滞納が続くと、借金の全額を一括請求されることや、ブラックリストに登録されることもあります。ブラックリストに登録されると、クレジットカードの新規発行やキャッシングの利用が困難になります。
3ヶ月以上の滞納が続くと、裁判所からの支払督促や訴訟の通知が届きます。さらに滞納が続けば、給与や財産の差し押さえといった強制執行の対象となる可能性があります。
滞納が長期にわたると、金融機関の措置によって生活に大きな影響が出ることがあるので、注意が必要です。
FXで借金をしやすい人の性格や特徴
FXで借金を抱えやすい人には確かに特定の特徴があります。これらの特徴を理解することで、自分自身が借金のリスクにさらされていないかをチェックできます。
感情的になりやすい性格の人
感情的になりやすい人は、少しの損失でパニックに陥ったり、無理な取引を続けたりする傾向があります。FX取引では、感情に流されることなく冷静な判断が求められます。感情的な人は、現実よりも望みに基づいて取引をしてしまうリスクが高いです。
ギャンブルにのめり込む人
ギャンブルが好きな人は、FXにおいても高リスクの取引を好み、損失を取り戻そうとして無理な取引を行う傾向があります。厚生労働省の調査によると、ギャンブル依存症の人は借金を抱えやすいとされており、FX取引においても同様のリスクが考えられます[1]。
ビギナーズラックによる利益を得た人
初心者が初期の運良い取引で利益を得ると、過信に陥りがちです。
金融先物取引業協会の調査によると、FX取引で利益を得る人は60.3%[2]と比較的多いため、その結果、十分な勉強や情報収集を怠り、リスク管理が不十分な状態で取引を続けることになります。このような状態では、大きな損失を出すリスクが高まり、結果として借金を抱えることになりかねません。
これらの特徴に心当たりがある場合は、FX取引における自己の行動を見直し、必要であれば取引方法を変更するなどの対策を講じることが重要です。リスク管理と自己制御は、FX取引における成功の鍵です。
FXで借金をしないための対処法について
借金をせずにFX取引を行うための対処法としてどんなことが考えられるでしょうか。
ここでは、海外FXという1つの選択肢も視野に入れながら、FXで借金をしないための対策を紹介します。
ゼロカットシステムを採用している海外FX業者を利用
海外のFX業者の多くはゼロカットシステムを導入しており、そのため借金の心配がないのです。
ゼロカットシステムがあれば、たとえ高レバレッジの取引をしても、損失が積み上がることはありません。
参考XMでマイナス口座残高をリセットする方法をゼロカットシステムの仕組みから徹底解説
海外FXのボーナスを利用して資金を増やす
海外FXでは、ゼロカット制度で口座のマイナス分は補填されますが、再び取引を行うために資金を借りてしまうと、借金につながりかねません。
取引は余裕のある資金で行うべきですが、資金を節約するためにはボーナスを上手に使いましょう。
ボーナスは取引の証拠金として利用できるため、多くのボーナスを得て取引に利用すれば、自己資金の損失を抑えることができます。
多くの海外FX業者は豊富なボーナスキャンペーンを行っていますので、これらを積極的に利用することがおすすめです。
参考XMのボーナス全種類!受け取り方・使い方と反映されない時の注意点
NDD業者を利用する
FX取引で借金を避けるためには、NDD方式を採用している海外FX業者を選ぶことが一つの有効な手段です。
FX業者には、DD方式とNDD方式という二つの主要な注文方式が存在します。
DD方式の場合、顧客の注文は先にFX業者を経由し、その後インターバンク市場に送られます。この方法では、注文の実行状況が明確でない場合があります。
DD方式は国内FX業者に多く見られ、取引手数料やスプレッドを低く抑える代わりに、顧客の損失が業者の利益となるビジネスモデルを採用しています。このため、業者に不利な注文は執行されないことがあり、必要な時に取引を決済できず、損失が拡大するリスクもあります。
対してNDD方式では、顧客の注文が直接インターバンク市場に送られるため、注文の透明性が高く、安心して取引できると言えます。
NDD方式は海外FX業者に多く採用されており、業者の収益は主に取引手数料やスプレッドに依存しているため、注文を積極的に実行することが業者にとっても有利です。
したがって、透明性が高く信頼性のあるNDD方式を採用している海外FX業者での取引は、借金リスクを減らす方法として考えられます。
レバレッジを高くしすぎない
海外FX取引において、過度なハイレバレッジを避けることは、借金を負わないために重要です。
高レバレッジを使用すると、小さな市場の動きでも大きな利益が得られる可能性がありますが、同時に損失も大きくなり得ます。
特に、市場が急激に動く場合、ハイレバレッジをかけていると短時間で大きな借金が発生するリスクが高まります。
例えば、元手100万円でドル円の取引を行う場合を考えてみましょう。
1ドルが100円の時、レバレッジ2倍であれば取引額は2万ドルになります。一方、レバレッジ1000倍では取引額は1000万ドルになります。もし1ドルが90円に下落した場合、それぞれの損失は以下の通りです。
・レバレッジ2倍の場合:2万ドル × (100円 - 90円) = 20万円の損失 ・レバレッジ1000倍の場合:1000万ドル × (100円 - 90円) = 1億円の損失
このように、レバレッジが25倍よりも高い場合、同じ市場の動きに対して損失がはるかに大きくなることがわかります。
そのため、大きな利益を目指す海外FX取引ではあるものの、借金リスクを抑えるためには、高レバレッジを控えることが賢明です。
利確や損切りラインは守る
利確・損切りラインというのは、保有しているポジションの価格があらかじめ設定した一定の水準に達した際に、取引を終了する点のことを指します。これは含み益や含み損が特定の額になった時のことです。
事前に利確・損切りラインを設定しておくことで、思わぬ損失を避けたり、既に得た利益を無駄にしないようにすることができます。
ただし、実際にこのラインに到達すると、含み益が増えるほど「もっと稼ぎたい」と思うことや、含み損が拡大すると「早く回復したい」と感じて取引を続けてしまうことがあります。
こうした計画外の取引はリスクが高く、利益が減少したり、損失がさらに膨らむことがよくあります。
FX取引で負債を抱えないためにも、設定した利確・損切りラインは守ることが重要です。
「FXで10億円を失って借金地獄?失敗してしまう理由と対処法」のまとめ
FX取引で借金を負わないための簡単な方法の一つは、実際の取引を始める前にデモトレードを利用して練習し、リスクを低減させることです。デモトレードを行うことで、実際の市場に近い環境での経験を積み、知識不足からくる損失のリスクを避けることができます。
FX取引を始めるにあたり、デモトレードを提供しているFX業者を選ぶことが推奨されます。
さらに、多くの海外のFX業者は、借金のリスクを抑制する「ゼロカットシステム」を導入しています。これは、急激な為替の変動で口座残高がマイナスになっても、そのマイナス分を業者が負担するシステムです。このため、トレーダーが借金をすることはありません。
海外FXは高リスク・高リターンというイメージがありますが、実際にはFXでの借金や損失のリスクを軽減する側面もあります。ですから、海外FXについても検討してみてはいかがでしょうか。
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<参考文献>
[1]厚生労働5月号 特集|厚生労働省
[2]「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査」の概要|金融先物取引業協会